【集落内の電柱上で休むコウノトリ=伊賀市岩倉で、9月2日午後6時40分ごろ撮影】
三重県伊賀市岩倉で、国の特別天然記念物「コウノトリ」2羽が8月下旬に飛来し、日没から日の出まで集落内に立つ電柱の上で羽を休めている。9月2日の日没前後にはYOU記者と住民ら十数人が、電柱上で休むコウノトリを見守りながら、「大きいなあ」「明日もいてくれるかな」と願っていた。
コウノトリが羽を休めていたのは、伊賀鉄道新居駅から西に約1・8キロの、集落内の高台に位置する場所。辺りが夕闇に包まれだした9月2日午後6時40分ごろ、南東の方角から1羽が飛来し、高さ10メートルほどある電柱の最上部に止まった。電柱の根元には抜けた羽やふんが落ちていた。
兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)によると、YOU記者が撮影したコウノトリは、足環の写りが不鮮明なため個体の特定には至らなかったが、足環の色から、2024年以前に誕生したものと推定されるという。

地元住民によると、今回飛来しているのは2羽で、電柱と、近くにある通信会社の鉄塔に1羽ずつ止まっているという。8月末にコウノトリを撮影した住民の男性は「飛んでくる方角は日によって違うが、電柱に止まると必ず首を南側に向けて休んでいるのが不思議。ここにいる間は見守りたい」と話していた。
日本野鳥の会三重などによると、伊賀地域では2021年9月上旬に名張市安部田で3羽、22年8月下旬に伊賀市比自岐で3羽、23年8月下旬に同市上之庄などで1羽が飛来したことが確認されている。
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