【休耕田で羽を休めるコウノトリ。左端が雄の「あやと」=伊賀市比自岐で、8月30日午後1時7分撮影】

 田園地帯が広がる三重県伊賀市比自岐に8月30日、国の特別天然記念物「コウノトリ」3羽が飛来し、休耕田などで羽を休めたり、えさを探したりする姿が確認された。

 兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)によると、この3羽のうち1羽は、2021年に京都府北部の綾部市で生まれた雄の個体「あやと」で、2日前の8月28日には同市で目撃されていたという。

田んぼの脇で羽を広げるコウノトリ=同

 30日朝、付近で野鳥の観察していた女性がコウノトリを発見し、「日本野鳥の会三重」の関係者に連絡。正午ごろには、比自岐地区市民センターから南に500メートルほどの田んぼに1羽、南東に100メートルほど離れた休耕田に2羽いるのが確認された。

 その後、3羽は同じ休耕田で並んで羽を休めていたが、付近を通りがかった車の音に驚いて飛び去り、今度は東に300メートルほど離れた集落内の電柱のてっぺんに止まっていた。

 伊賀地域では昨年9月9日、2か月前に福井県小浜市を飛び立った3羽の兄弟が名張市安部田の田んぼに飛来し、えさをついばむ様子などが確認されていた。

田んぼから飛び立ち、集落内の電柱に止まるコウノトリ=同

 この日、趣味で撮影に訪れていた名張市の男性は「実際にコウノトリを見たのは初めて。昨秋名張へ来た時は見に行けなかったが、本当に伊賀へやってくるとは驚き」と静かにカメラのレンズを向けていた。

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