【教民委に出席した請願者の竹本共同代表(右から3人目)ら=伊賀市で】

 三重県伊賀市議会の教育民生常任委員会は3月11日、青山保健センター運動施設(同市阿保)にある歩行訓練用温水プールの運営継続を求めた請願を審議し、否決すべきものとした。委員会採決では3対3の可否同数だった。22日に本会議の採決がある。

 健康増進が主な目的の同プールは高齢者や障害者の利用が多く、オープンは市町村合併直前の青山町だった2004年4月。市は利用者1人に10万円の費用負担がかかっているとし、今月末で閉鎖する考えで、来年度の予算案からプールの運営経費を削除している。

 質疑では、15年に市が策定した公共施設最適化計画で、プールが入る同保健センターは機能の一部廃止と建物の譲渡または貸付の方針を示していたが、その対象をプールに決定した経緯や時期、利用者や地元地区と話し合いの有無などが取り上げられた。プールの利用者は昨年6月に初めて閉鎖の方針を知らされたという。

 同プールは開設から20年間で、ピーク時の16年度に延べ9773人がプールを利用した。市が主張する「利用者1人に10万円の費用負担」は22年度の5230人とセンター全体の施設管理経費約2347万円で割った数字で、利用料収入を算入しておらず、請願者の「継続を求める有志一同」で共同代表を務める竹本昇さん(74)は「コロナ禍で利用者が半減した時期の数値を基にしており、客観性に欠ける」と批判した。

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