【ヒノキを板状に加工する講員ら=名張市赤目町一ノ井で】

 奈良・東大寺二月堂の「お水取り」(修二会)で使うたいまつを毎年寄進している、三重県名張市の伊賀一ノ井松明講(森本芳文講長)の講員らが2月11日、山からヒノキを切り出してたいまつに使用する形状に加工する「松明調製」の作業に取り組んだ。

 この日は講員の他、市民団体「春を呼ぶ会」のメンバー、名張高校サッカー部員など約90人が、午前7時30分に同市赤目町一ノ井の極楽寺(中川拓真住職)に集まり、安全法要の後、同寺南方の通称「松明山」へ。樹齢約75年のヒノキ1本を伐採し、丸太に切り分けて境内へ運搬した。

 講員らはチェーンソーやなたを使い、表皮をはいだ丸太を長さ36センチ、幅9センチの板状に切りそろえていった。

切り出したヒノキを前に法要に臨む講員ら=同

 最終的に円柱状に組み上げたたいまつは、3月10日の法要を経て、同12日に「松明調進行事」で運ぶ。今年は12日に赤目口駅から近鉄奈良駅までの臨時直通列車が運行され、徒歩と電車で東大寺へと運ばれる予定。

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