【最上の天守閣3階を貸し切った特設のキャッスルバー(伊賀市提供)】

 歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業で、三重県伊賀市の伊賀上野城や城下町に点在する施設などを活用した体験型宿泊プランの実証実験が12月12日から1泊2日の日程で実施された。

 イベント名は「城泊『伊賀上野城キャッスルステイ』」で、観光庁のモデル事業。同市や伊賀上野観光協会などの官民組織「MIRAIGAプロジェクト」が採択を受け、構成員で歴史的建造物を活用した宿泊事業などを手掛ける「バリューマネジメント」(東京)が実施した。同社は愛媛県大洲市にある大洲城の天守閣に宿泊できる1泊100万円のプランも企画し、運営している。

 モニターは豪州出身で名古屋市在住のラジオDJ、クリス・グレンさん(55)と香港出身の友人女性で、2人は和装に着替えて参加。12日は、明治初頭まで藩校として使われていた国史跡の旧崇広堂で特別に開放した御成門から入場し、講堂で忍術学の講義や忍術体験があった。夜には天守閣の3階を貸し切って食後の晩酌を楽しんだ。

伊賀上野城と高石垣を背景に感想を話すグレンさん(左)ら=同市上野丸之内

 2日目は、同市上野忍町にある国登録有形文化財の武家屋敷「赤井家住宅」で庭を眺めながら朝食をとり、毎年10月に生誕地の同市で営まれる松尾芭蕉の命日にだけ公開される俳聖殿内部を特別に見学。その後、天守閣そばの特設会場で「伊賀忍者特殊軍団阿修羅」によるショーを観覧した。

 全てのプログラムを終えた後、グレンさんは「伊賀上野には何回も来ているが、ユニークな体験ができたし、特別感があった。駅に到着したとき、忍者が出迎えてくれたのが一番印象に残った」と話した。

- Advertisement -