名張市と伊賀市青山地区のごみ焼却施設「伊賀南部クリーンセンター」(伊賀市奥鹿野)の排ガス濃度データ改ざん問題で、施設を管理する伊賀南部環境衛生組合の議会は8月26日の臨時会で、プラントメーカーの三機工業(東京都)と子会社の三機化工建設(同)に対し、経緯説明や関係者の処分内容を盛り込んだ謝罪文書の提出と周辺環境調査などの費用2860万円の負担を求め、裁判外紛争解決手続(ADR)による和解あっせんを申し立てることを決定した。【伊賀南部クリーンセンター=伊賀市奥鹿野】

 ADRは、裁判によらず専門的知識を持つ第三者を通じて紛争解決を図る手続き。訴訟に比べ、解決までの時間が短く、費用が安価なのが特徴。申し立て先となる三重県市町村振興協会(津市)ADR事業運営委員会によると、2010年の事業開始以降、これまでに8件の申し立てがあり、うち5件が和解成立。企業を相手取った例は今回が初めてになるという。

 費用負担の内容は、施設周囲5地区で隔年実施してきた周辺環境調査を毎年行うための費用2500万円、運転管理状況を監視するアドバイザーの人件費360万円。いずれも5年分とし、操業状況によっては最大10年まで延長できるようにする。

 訴訟による損害賠償請求を見送った理由について同組合は、改ざんと因果関係のある損害を立証することが困難なこと、同組合が公的機関であり信用失墜や慰謝料など賠償請求が困難なことなどを挙げた。組合の日置光昭事務局長は、結論が出るまで半年ほどの見通しとし、「実情に即した迅速な解決を図り、住民の不安を払しょくしたい。早ければ今月中に事務手続きを始める」と話した。

 問題は昨年7月に発覚。排ガス中に含まれる窒素酸化物などの有害物質の濃度データが、2009年の竣工時から三機工業によって組み込まれたプログラムで、組合基準値より低く書き換えられ、運転管理する三機化工建設の社員が手入力で数値を書き換えていたことも判明。昨年9月の組合議会で2社が不正を認めている。