銭湯でも啓発「自己検診を」
NPO・ビーシーアンドミー

記録ノートを手にする神農さん=東京都内で

 乳がんの5年生存率が9割を超えている(注)。多くの乳がん患者が治療を終え、社会復帰を果たす中、NPO法人ビーシーアンドミー(東京都新宿区)は、そうした〝乳がんサバイバー〞のための情報を発信している。今回は、乳がん患者の生活の質の向上を目指しながら独自のピンクリボンキャンペーンを展開する同法人の神農晶子代表に話を聞く。

ウェブサイト(https://www.bc8me.com)に「乳がんサバイバーのリアルを社会に伝えたい」とあります。思いを教えてください

神農さん メディアでは、進行性の乳がんと闘っている方々が取り上げられる傾向にありますが、治療を終え、診断前と同じような生活に戻っている方もたくさんいらっしゃいます。乳がんといっても人によって状況は違い、自分らしく生き生きと毎日を送っている人たちの本当の姿を伝えたいです。

生の声を

―ウェブの「乳がん体験談」にはそのような声が掲載されているのですね。「治療に役立つ情報」はどのように選んだのですか

神農さん 以前、乳がん患者向けのコミュニティーサイトを運営していたのですが、そこには乳がんサバイバーの生の声がたくさん寄せられていました。治療中の日常生活に役立つ情報や、乳がんになったばかりの方に対する温かな励ましの声などです。
 そうした書き込みを毎日何時間も読んでいくうちに、乳がんになったばかりで不安な方に向け、それらを分かりやすくまとめようと考えました。個人の治療の記録を残せるよう、サイトを参照しながら使える記録ノートとチェックシートも作り、販売しています。

―販売事業での売り上げの一部を10月のピンクリボン月間の活動資金とされています。運動を銭湯で行うというのはユニークですね

神農さん このピンクリボン運動は2016年から始めたのですが、意識付けだけでなく、実際に自己検診をしてほしいので、活動に協力頂いた都内の銭湯の鏡の横に、乳がんの自己触診の方法を記載したポスターを掲示することにしました。裸になった時にポスターを見れば、胸にしこりがないかチェックする機会になります。
 また期間中は、湯船のお湯をピンク色にしています。今年からこの活動は東京都と共催となり、「ピンクリボンの湯」として再スタートする予定です。このような取り組みが全国に広がればと思っています。

―今後の目標をお聞かせください

神農さん 海外では、がんサバイバーをリスペクトする文化がありますが、日本ではまだまだ不十分だと感じます。サイトでは体験談の他、アンケートなどで乳がんサバイバーのリアルをお伝えしています。乳がんになっても明るい未来もあるということをこれからも発信し続けていきます。

 国立がん研究センター「地域がん登録によるがん生存率データ 1993〜2008」