【福井さん夫妻】

 東京から移住して古民家をDIYした三重県名張市東町の福井俊彦さん(34) 、佳さん(35)夫妻。昨春から半年以上かけて完成させた理想のギャラリーと食堂で、新生活を楽しんでいる。

再生した古民家の前に立つ福井さん夫妻(丸抜き写真も)=名張市東町で

 8年前に結婚。子どもも生まれたが、飲食店勤めの福井さんは忙しく、子育ては佳さんに任せてしまっていた。「子どもと一緒にいる時間を増やしたい」「実家の近くで子育てしたい」「いつかは店を出したい」と2人の思いが膨らみ、昨年秋に佳さんの実家がある名張への移住を決意した。

 物件はインターネットで調べ、「外観が良い」と気に入った築60年の古民家。実際に見てみると具体的な完成イメージが湧き「DIYしよう」と決めた。専門的な知識がないため、関東から呼んだ建築士兼大工の友人の意見を聞きながら、4月から始めた。

 作業は解体から。土壁を壊し、屋根や床をはがし、キッチンも壊す。ほこりにまみれ、ごみの処分も大変だった。大型連休には解体が終了し、フローリングを貼る前の下地を木で貼り直し、地域特有の暑さ寒さに耐えられるような断熱材を入れ、床を新しくした。

 壁は、丸い感じをベニア板で作りアーチ状に、カウンターはタイルに、部屋の中はしっくい塗りに。調理場に立つ自分たちと客の目線の高さが一緒になるようにこだわった。テーブルは購入した木材を塗装し、脚を付けるなどした。

 耐震補強のため、約70キロのはりを脚立に乗って担いだり、天井の高い位置に金具を取り付けたりする作業は大変だったそう。夏場の酷暑も扇風機だけで耐え、小学1年と年少の子どもたちもタイルを貼るなど手伝ってくれたという。

 一方で、トイレの鏡など古民家に残っていたものも再利用した。中でも「可愛かった」照明ランプはギャラリーとして使う2階に再利用した。

 午前9時から午後6時まで、約7か月の作業を経て、10月に完成。顔見知りもできて良い経験だったと振り返る。作業の様子を発信していたインスタグラムを「ずっと見ていたよ」と来店してくれた人もいて、感動したそう。

 ギャラリーでは、カメラが趣味の福井さんとイラストレーターの佳さんの作品を展示したり、貸し出したりしていきたいという2人。「子どもたちと過ごす時間も増えた」と喜び「家族でゆっくりできる場所にしていきたい。玄関の窓がお気に入り」と笑顔を向けた。

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