【刊行した「伊賀上野天神祭手帖」を手にする首藤さん=伊賀市で】
400年以上続く三重県伊賀市の上野天神祭について幅広く記した「伊賀上野天神祭手帖」を高田短期大名誉教授で同市上野福居町の首藤善樹さん(76)が自費出版した。みこし行列や百数十体の鬼行列、9町のだんじりの歴史や特徴を始め、祭りの変遷を通した時代の移り変わり、定例の食べ物、露店や見世物の種類に至るまで詳しく解説している。
首藤さんは昨年、伊賀上野ケーブルテレビが放映する同祭りの実況中継でゲストとして出演したのをきっかけに、「祭りの総合的な把握」を目指し、同書を編んだ。地元に残る数々の資料や住民らへの聞き取りを基に約1年かけて一冊にまとめた。
同書の「お祭りの周辺」では振る舞いや料理の例として甘酒や「酢ダコ」、「イワシ寿司」、マツタケを取り上げ、来客の接待では宴の様子も紹介。サーカスの公演があった時代もあり、1924(大正13)年から昭和30年半ばの1960年ごろまで来ていたという。
今年はユネスコの無形文化遺産に登録されている「上野天神祭のダンジリ行事」が10月17日から19日に行われる。首藤さんは「鬼行列やだんじりのことがよく分かると思うし、読みやすい内容もたくさんある。後継者の育成など課題があるのも実情だが、いつまでも続いてほしい」と話した。
A5判429ページ。税込み3850円。市内の岡森書店白鳳店と井筒屋書店あかもん店で販売している。
- 広告 -