【薦原市民センター前であった出発式=名張市薦生で(一部画像処理)】

 三重県名張市は10月1日から、住民がマイカーを使って運行する公共ライドシェア「コモコモらいど」の実証事業を始める。開始を前に9月27日、再編するコモコモ号を含めた出発式が薦原市民センター(同市薦生)であった。市によると、マイカーによる公共ライドシェアは県内初だという。

 公共ライドシェアは、交通空白地の解消を目的に、一般ドライバーが自家用車などを使って有償で乗客を運ぶサービス。薦原地域ではこれまで、薦原コミュニティバス運営委員会が民間に委託して「コモコモ号」を決まった時間・ルートで運行してきたが、近年は高齢化の影響などで、農村部を中心に利用率が低下していた。そこで、コモコモ号の運行を住宅街のさつき台に集中し、農村部では国の補助を受けた実証事業で、より柔軟な運行が可能な公共ライドシェアを導入することにした。

 コモコモらいどは、市が同運営委員会に運行を委託。運賃は1乗車あたり1人500円で、電話予約に応じて週に3日運行する。住民ドライバーは認定講習を受けた14人が登録されている。

 一方、コモコモ号は10月から、住宅街を平日1日4便運行する形となり、運賃は200円に改める

住民のマイカーに「コモコモらいど」のマグネットステッカーを貼った車両=同

 出発式で、北川裕之市長は「ドアtoドアが望まれる時代。地域にふさわしい手段を模索しながら、新しい公共交通を作り上げたい」、運営委の古谷久人会長(74)は「住民の方に愛されるようにしていきたい」と話した。コモコモらいどのドライバーで最年少の坂峰舞さん(24)は「小学生の時から地域の方にたくさんお世話になったので、恩返しをしたい。安全で乗り心地良い運転を心掛け、楽しんでいただける会話もできたら」と話した。

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