【のぼり旗を紹介する角田会長(左から2人目)ら=名張市丸之内で】

 江戸時代初期の武将で名張藤堂家の祖・藤堂高吉(1579‐1670)の功績を顕彰する三重県名張市の「藤堂高吉公顕彰会」は8月8日、高吉の功績を広く伝えようと、のぼり旗を同市丸之内の武家屋敷「名張藤堂家邸跡」(県指定史跡)前などに設置した。

 高吉は織田信長の重臣・丹羽長秀の三男で、幼少時に羽柴(豊臣)秀吉の弟・秀長の養子となった。秀長の後継者がおいの秀保になったため、藤堂高虎の養子になったが、高虎に嫡男が生まれて跡継ぎになれず、名張に領地を与えられた。

 同顕彰会には市民有志約15人が所属。来年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」への高吉の登場を願い、4月には名張藤堂家の家臣の子孫らでつくる「名張藤堂家温故会」とともに市へ要望書を提出した。

名張藤堂家邸の前に並ぶのぼり旗=同

 設置した旗は、縦180センチ、横60センチで紫色。「藤堂高吉公ゆかりのまち」や「NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』」の文言の他、名張藤堂家の家紋の桔梗などをあしらった。高吉をまつる寿栄神社や名張藤堂家の菩提寺の徳蓮院、宇流冨志禰神社などを含め、10か所に計50本を設置する。制作費は同顕彰会の会員が出し合ったという。

 同顕彰会代表の角田勝さん(82)は「高吉公がこの名張の町の礎を築いてくれたということを、多くの人に知ってもらえたら」と話した。今後、高吉ゆかりの場所を巡るまち歩きイベントを実施するなどして盛り上げていくという。

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