【上野城天守閣の屋根と赤銅色になった満月=伊賀市上野丸之内で、9月8日午前3時22分撮影】

 満月が地球の影に隠れて赤銅色に染まる皆既月食が9月8日未明、各地で夜空を彩った。天気が良かった三重県伊賀市でも、幻想的な天体ショーを楽しむことができた。

 皆既月食は太陽と地球、月がほぼ一直線に並ぶ現象。同日午前1時27分ごろから満月が徐々に欠け始め、同2時30分には完全に地球の影に入った。同市の伊賀上野城の周辺には城と赤黒い月を写真に収めようと三脚を立てた人々が集まり、静かな夜にシャッター音が響いていた。

 国立天文台によると、月が赤黒く見えるのは、地球の大気の影響。太陽光が地球の大気を通るとき、青い光は散乱されやすいが、赤い光は散乱されにくいため大気を通過できる。その赤い光が地球の影の中に屈折して届き、月面を照らすため、赤黒く見えるという。日本で次に皆既月食が見られるのは、2026年3月3日。

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