【閉鎖中の歩行訓練用プール=伊賀市阿保】

 三重県伊賀市は7月16日、土地と建物の無償貸与を条件に公募型プロポーザルで民間事業者を選定し利活用する方針の青山保健センター運動施設(同市阿保)について、利用者説明会を開いた。市が2024年3月に同施設の歩行訓練用温水プールを閉鎖して以降、説明会の開催は初めてで、20人が参加した。

 02年4月に建設した同施設は、閉鎖しているプール以外のフィットネスルームなどは来年3月まで利用期間を延長している。公募型プロポーザルでは、運営継続を求める請願が34年3月に採択されたプールの利活用がある場合は加点したり、多目的室や調理実習室などは機能変更も可としたりする条件案を仕様書に盛り込むことを検討している。

 土地と建物を無償で貸与する理由について、市は「大半の設備は耐用年数を超えており、大規模修繕を避けられない」と説明し、事業者側の負担で施設を存続させる考えだ。プロポーザルの公告は8月中旬以降の予定で、審査を経て年内には優先交渉権者を選定したいという。

 説明会には20人の参加があり、稲森稔尚市長も出席した。閉鎖中のプールについて、質疑ではリハビリ中の高齢者や障害者ら福祉的な目的も含め多様な利用がある施設の存続、早期再開を願う声が多く上がった。

 プロポーザルに対しては「プールの利活用が入っていない提案でも大丈夫なのはおかしい」、「仕様書に利用者の意見を盛り込んでほしい」などの意見が出た。また、「請願では施設を行政財産として保有し継続を求めている。民間利活用ではない」という主張や説明会開催の告知が施設掲示だけだったことに批判も出た。

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