【中学校給食の事業着手の先延ばしを表明する北川市長(右から3人目)ら=名張市役所で】

 財政危機に陥っている三重県名張市の北川裕之市長は5月27日、2027年度中の開始を目指し計画を進めていた中学校給食について、「事業着手を当面の間、延伸する」と表明した。この日の市議会全員協議会の冒頭で発言した。

 理由について、厳しい財政状況の中で市立病院の経営悪化に伴う追加の財政支援を行う必要があることなどを挙げ、「市民の健康や生命を守るべく、市立病院の維持存続を何よりも優先すべきであると判断した」と述べた。

 自身の選挙公約の1つであることや、保護者や市民からの期待の声が大きいことにも触れた上で、「断腸の思い。市民の皆さまに丁寧に説明し、ご理解いただけるよう努める」と述べた。

 先延ばしの期間については、「現時点では明確な見通しを示すことは難しい。市立病院の経営改革の取り組み効果が現れ、改善の道筋が見えた段階で改めて総合的に判断する」とした。

 県内で中学校給食を実施していないのは同市のみ。市は22年6月に「27年度中を目途に開始を目指す」と表明し、23年8月には実施方式をセンター方式に決定。24年2月には事業手法をPFI方式、給食センターの建設予定地を同市青蓮寺と決めていた。

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