三重県名張市は11月12日、同市朝日町の保健センターにある市応急診療所について、来年4月から平日(月曜から土曜まで)の夜間診療を廃止し、休日(日曜、祝日、年末年始)のみに改める方針を明らかにした。この日の市議会教育民生委員会協議会で市が説明した。
市医療福祉総務室によると、応急診療所は1984年に開設(91年までは休日のみ)。休日や夜間の急病患者に対応するため、地元の名賀医師会と名賀保険薬局会の協力で内科と小児科の診療を365日行っている。診療時は、医師と薬剤師、医療事務、案内担当が各1人、看護師2人の計6人体制をとっている。
近年は同医師会の会員医師の高齢化を受け、市立病院や三重大医学部附属病院などからも医師の派遣を受けて継続してきたが、医師の働き方改革の影響などもあり、今後の安定的な運営の見通しが立たない状況だという。
2020年11月から市立病院が24時間365日の小児科一次救急の受け入れを開始したことなどで、近年は応急診療所の受診患者数は減少。平日夜間は18年度が1日平均6・1人だったが、23年度は同1・7人だった。受診患者が0人の日が週に3日あったこともあるという。
市は12月定例議会で、診療時間の変更などを盛り込んだ関連条例の一部改正案を提出する予定。可決されれば、来年4月からの診療時間は休日午前9時から正午、午後5時から同8時となる。
市は、今回の見直しで年間約1700万円の経費削減につながると試算している。
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