【厳重注意文書の受け取りを拒否し、細矢議長と言い合う木平議員=名張市鴻之台1で】

 三重県名張市議会の細矢一宏議長(57)は2月6日、市職員への威圧的言動など市議会の政治倫理要綱に違反する行為があったとして、木平秀喜議員(68)を厳重注意した。木平議員は「内容が事実と違っている。納得できない」などとして通知文書の受け取りを拒否し、拒否する理由をまとめた文書を細矢議長に手渡した。

 議会事務局などによると、昨年12月に北川裕之市長から市議会に、木平議員の行為への抗議と厳正な対処を求めるとする要望書が提出された。市側が主張する木平議員の行為は、市役所の窓口で市職員に「議員をばかにしているのか」など威圧的な言動をしたり約2時間半にわたって居座って業務を妨害したりしたこと、市職員の名前を断りなく本会議場で公表したり、自身のホームページに掲載したことなど。

 要望書を受け、細矢議長らは、窓口で対応した職員らに聞き取りを実施。要望書の内容と差異はなかったとして、木平議員本人への聞き取りを経て議会運営委員会が2月1日、文書での厳重注意を決定した。

 木平議員が市役所の窓口を訪れたのは、昨年11月。住民から固定資産評価についての相談を受け、住民と木平議員、不動産鑑定士の3人で1階の課税室を訪問していた。

木平議員と言い合う細矢議長=同

 木平議員は取材に対し、窓口に約2時間半居たことは事実としつつも、「時間を引き延ばしたのは職員」などと居座り行為を否定。言動については「議員をばかにしているのですか」と発言があったと認めたが、「大きな声で言っていない。威圧した言葉や態度は全くない」などと話した。

 職員の名前を無断で公表したり掲載したりしたことについては「公人の名前を出すことは何も間違っていない」と話した。

 細矢議長は取材に「受け取った上で主張して頂きたかった。引き続き議運で対応を検討してもらう」と話した。市議会で3月にハラスメントの研修を実施する考えも明らかにした。

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