【懐中電灯の上に水入りのペットボトルを置いてランタンのようにする児童たち=名張市薦生で】

 三重県名張市の市立薦原小(薦生)で11月18、19の両日、避難所生活を疑似体験する1泊2日の「防災キャンプ」が開かれた。希望した同小2から6年生計42人が参加し、地元消防団員や保護者らと体育館に避難所を設営。防災食の調理や寝床づくり、停電体験などを通じて防災意識を高めた。

薦原小の体育館内に簡易テントを設営し寝床を用意する児童たち=同

 18日の市総合防災訓練の一環で、薦原地域づくり委員会と保護者有志が初めて企画。体育館に集まった児童たちは、カードゲーム「ひなんじょなんナン?」で避難所での過ごし方などを学び、夕飯にはアルファ米のわかめご飯とみそ汁を食べた。

 懐中電灯を片手に、校舎内に配置された防災標識をグループごとに探す暗闇探索ゲームの後、停電を想定して投光器の明かりを頼りに体育館に簡易テントを設営。水入りのペットボトルを懐中電灯の上に乗せてランタンのように使い、持参した寝袋に入って一夜を明かした。19日の朝は、アルファ米のえびピラフやドライカレーなどを食べた。

 2日間の体験を終えた児童たちは「停電した時は暗すぎて不便。テントに屋根が無かったので寒かった」(4年)、「学校の中は少し怖かったけど、皆がいたので安心した」(5年)、「不安や緊張もあったけど、楽しく防災の事を学べた」(6年)など感想を明かした。

 同委員会の古谷久人会長(72)は「体験することで、実際の避難所生活をイメージできる。災害時に、自分で考え正しく行動できるようになってほしい」と話した。

市総合防災訓練に1万人超参加

 南海トラフ地震などを想定した18日の市総合防災訓練は、雨で一部の内容が変更になったが、市防災センターや各地区の市民センターなどを会場に災害対策本部や避難所の設置運営訓練などが行われ、地域住民や各機関の関係者ら1万383人(市発表)が参加した。

市災害対策本部の設置運営訓練=名張市鴻之台1で
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