【フジバカマの花に止まるアサギマダラ=名張市滝之原で、10月18日撮影】

 「2年ごとに1匹やってくるのが不思議。どこから来たのかな」。10月18日朝、三重県名張市滝之原の山本隆博さん(71)、繁好さん(71)夫妻の自宅裏庭に、越冬のため渡りをするチョウ「アサギマダラ」が飛来した。

 自宅北側の裏庭は、山本さんの定年を機に、荒れた畑を2人で整備した場所で、今ではアゲハチョウや野鳥、トンボなど、さまざまな生き物が立ち寄ったり巣作りをしたりしている。この日は朝食をとろうとしていた時、ひらひらと舞うアサギマダラを窓越しに見つけ、「朝食そっちのけで写真を撮った」という。

滞在は約半日

 花好きの友人からもらったフジバカマを植え、「いつかアサギマダラが来たらいいな」と待つこと数年。19年10月下旬に初めて1匹が飛来し、21年9月下旬にも1匹が確認された。いずれの個体も、移動状況などを調べるためのマーキングは入っていなかった。

 今年、山本さん方にいた時間は約半日。つかの間、我が家で羽を休めるアサギマダラに、繁好さんは「君は前にも来た子かい?」と心の中で問いかけていた。

2023年10月28日付855号2、3面から

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