【5種類の「忍法赤目プリン」を紹介する川崎さん=名張市赤目町長坂で】

 三重県名張市の地域おこし協力隊2人を含む3人の共同経営で、同市の観光名所・赤目四十八滝の門前周辺(通称・赤目小町)にテイクアウトのカフェ「忍法赤目プリン」が8月20日、正式オープンする。着任から間もなく開業準備を進めてきた協力隊の川崎智哉さん(25)は「観光地の活性化の起爆剤になるような場所にしたい」と話す。

 川崎さんは横浜市出身。昨年10月の着任後、紅葉に染まる赤目渓谷を平日に訪れたところ、多くの店がシャッターを下ろしている様子を目の当たりにし、衝撃を受けたという。

 「平日とはいえ観光地。初めて来た人はどう思うか」「見たり体験したりする観光も一つだが、土地の名物を食べたり買ったり、五感で楽しめないと『もう一度来たい』『人に勧めたい』とは思われないのでは」など、考えを巡らせた。

年中無休で「おもてなし」

 渓谷入り口近くに空き店舗があると紹介され、平日もシャッターを上げて営業する店を自分たちで開くことを決意。名張市内でカフェ経営のノウハウを持つ人を共同経営者に迎えて意見を交わしたり、他県の観光地を視察したりした結果、地名付きのご当地プリンを中心に提供することにした。

 店舗は観光庁の補助金を活用し、広さ約63平方メートルの1階部分を改修。店内には、滝川を望むカウンターやテーブルなどイートイン用の約20席を備えた。

 メニューは5種類のプリンや3種類の自家製ジュースなどの他、夏場はかき氷もあり、市内や近隣で生産された食材も活用。容器などには、渓谷に生息するオオサンショウウオの上に忍者を乗せたイラストがあしらわれ、赤目らしさを押し出す。

 川崎さんは協力隊を3年の任期終了まで務め、その後も定住する考え。「何もしなくても観光客が来てくれる時代ではなく、『おもてなし』が必要。相乗効果で地域全体を盛り上げることができたら。店は地域おこしの拠点としても、幅広く活用していきたい」と意欲を語った。

 店の営業時間は午前10時から午後5時まで。年中無休。

 問い合わせは同店(0595・51・5689)まで。

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