【遺作展の準備に集まった(左から)細萱さん、小川さん、森さん、三浦さん。画面はスロベニアのブレッド城を題材にした川合さんの作品=名張市百合が丘東1で】

押し花アート教室

 「彼女の生きた証や命の輝きを、今も色あせない作品から感じてほしい」。押し花アートを楽しむ名張市の教室「花遊会」の会員で、今年2月末に78歳で亡くなった川合頼子さん(三重県名張市百合が丘東8)をしのぶ作品展が、6月28日から30日まで開かれる。

生前の川合さん(提供写真)

 2015年、百合が丘東1で教室を主宰する小川るみさん(72)が友人と開いていた2人展を観覧した川合さんと友人の細萱信子さん(77)が、押し花アートの華やかさや精密さに魅了され、「こんな作品が作りたい。教えてほしい」と頼んだところから教室が始まった。主に60、70代の仲間たちと習う中、川合さんは誰より熱心に取り組み、丁寧な作品を数多く仕上げる一方、世話人として18、20年の作品展開催にも力を注いできた。

 世間がコロナ禍に見舞われ、教室に皆が集まる機会が少なくなっていた20年の暮れ、川合さんは病気のため入院。治療に専念することになり、小川さんらは「待っているから、しっかり治してまたやろうね」と約束した。昨年11月の作品展には家族とともに来場し、「みんな上手になったね」と優しい目で作品を眺めていたが、それからわずか3か月後、帰らぬ人となった。

 着付講師をしていた川合さんは、小川さんとは、押し花は弟子だが着物は師匠という関係だった。小川さんは「とても心配りができ、みんなの力になってくれた存在」と目頭を押さえる。いつも連れ添って各地へ花材の採集に行っていた三浦かすみさん(73)は「朝から夕方まで机を並べて教わり、制作に没頭してきた日々を思い出す」と振り返った。教室以前からの友人、森信子さんは、川合さんが作りかけていた「仲良し雀」をトクサやツクシなどを使って完成させた。

友情出展も

 遺作として展示するのは、長女が川合さんの誕生日に贈ったコチョウランを使った作品や、バラやフヨウなどで作った男びなと女びな、昨年唯一出展したミヤマハンショウヅルを用いた深い山の光景の作品など十数点。加えて、ともに押し花を学んだ友人12人が、川合さんへの思い出などを添えて友情出展する予定。

 会場は百合が丘市民センター(百合が丘西5)大会議室。時間は午前10時から午後5時までで、初日は午後2時から。入場無料。

 問い合わせは小川さん(090・5039・6123)まで。

2023年6月24日付846号1面から

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