木工と音楽
2022年10月に三重県津市美杉町奥津の古民家へ移住し、アフリカの民族音楽やラテン音楽などに欠かせない太鼓「ジャンベ」を始めとした打楽器を作っている村本至紀さん(72)。太鼓の出来は「革を張って鳴らしてみないとわからない」という難しさはあるものの、ものづくりの楽しさを味わいながら、「自分の作った楽器をどこかで誰かが演奏してくれている」うれしさを励みに日々製作している。
仕事の関係で海外生活が長く、24歳から30年間暮らした米国では木工を学び、建築の仕事に就いていた。
若いころから音楽が好きで、50代後半から住んだイタリアではピアノを習い、自分で楽器を作ってみたいとも思っていた。そんなある日、鍋に投入したパスタが奇麗な逆円錐形を描いたのを見て、「寄木細工のように接着して革を張れば、太鼓が作れるのでは」と思い、オリジナルの太鼓を作り始めた。
帰国後は、現在の家を改築しながら、竹やケヤキ、ナラなどを主な材料に、ヤギや牛の革を張った打楽器をこれまでに30個ほど作ってきた。
6月17、18日に名張市内で開かれる「伊賀の手づくり作家展」に「駄(打)楽器工房 音円(おとまる)」の屋号で出展する。ジャンベ、カホン、竹の打楽器などを展示販売する予定で、試奏体験もできる。村本さんは「太鼓を通して、子どもたちがものづくりに興味をもってもらえたら」と話した。
問い合わせは村本さん(080・8491・5811)まで。
2023年6月10日付845号6面から
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