長野県や北海道など、冷涼な気候の地域で多く生産されているアスパラガス。三重県の伊賀地域では1982年に、名張市の青蓮寺の水源を利用した「国営青蓮寺総合農地開発事業」の一環で、開畑地域の基幹品目としてブドウ、柿とともに栽培が始まり、JAいがふるさと(伊賀市平野西町)による共同育苗や栽培技術指導で作付面積は年々拡大してきた。
現在は生産者29人が5万2000平方メートルの広さで栽培。87年には同市予野に選果場ができた。農家からここに集荷され、CCDカメラとコンピュータを使った自動選果装置で大きさ、色、断面などを検査した後、量販店などに出荷されている。
伊賀ブランドの認定品は「ウェルカム」という品種で、穂先の締まりが良く、太茎で緑色が濃いのが特徴。朝晩の寒暖差が激しい伊賀盆地で甘みと旨味を蓄え、ジューシーで歯ごたえもあるという。
長さは25センチが基準で、重さや形状で最高ランクの「秀」の位置づけにある。
米農家の同市大野木の稲田智一さん(47)は5年前からアスパラガスの栽培も始めた。現在は5棟のハウスと露地で、1300平方メートルの敷地に栽培している。「反当たりの収入も高く、魅力的な作物。真夏の水管理には苦労するが、毎朝真っすぐに伸びている姿を見るのは楽しみ」と話す。
JAいがふるさと営農部の中川真一課長(47)は「今後、耕作面積を毎年2万平方メートルのペースで増やしていきたい」と増産に意欲的だ。10月初旬まで、県内の量販店や伊賀地域の直売店などで販売している。
問い合わせはJAいがふるさと(0595・24・5111)まで。
2023年5月27日付844号23面から
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