【乗車用ヘルメット=名張市で】

道交法改正 4月から利用者全て対象

 道路交通法の一部改正で4月1日から年齢に関係なく、全ての自転車利用者にヘルメット着用の努力義務が課される。住民にヘルメット着用を促す立場の警察や自治体の動きなどをまとめた。

 三重県警は全職員に対し、自転車に乗る時は公私を問わずヘルメットを着用するよう指示している。地域の交番の警察官などが業務で自転車に乗る際は、装備品として1人1個配布されている白色ヘルメットを着用することにしている。

 県は全職員に対し、「公私を問わず『自転車利用時の乗車用ヘルメットの着用徹底』」を呼び掛けている。各市町には、広報啓発への協力を求める文書を出すなどしている。

 伊賀・名張両市では、市ホームページなどで自転車ヘルメットの着用努力義務化を市民に向けて周知している。自転車通勤の職員などに対しては、ヘルメット着用を促す通知を伊賀市は3月15日に出し、名張市は3月中に出す予定としている。

 また、両市とも業務で使うことのある公用自転車を所有しており、ヘルメットを新たに配備し、利用時は着用するという。伊賀市の担当者は「ヘルメットは自分の身を守るもの。努力義務とはいえ、市職員は模範として率先してヘルメットをかぶるべきで、交通マナーと合わせて周知を徹底したい」と話す。

着用率低い高校生

 自転車通学のヘルメット着用状況は、伊賀・名張両市とも中学生はほぼ100%。一方、高校生は着用率が低いのが現状だ。

 4月からの対応について、3月中旬に伊賀地域の県立高校5校に取材したところ、3校が対応を決めかねていた。検討中とした高校のなかには、ヘルメット購入の費用や保管方法、外見や髪形を気にする生徒の心理など、さまざまな要素を背景に対応を悩んでいる様子もあった。

 対応を決めたある高校の教頭は「ヘルメットが自分の身の安全を守るために必要だということを生徒に指導していくが、今の段階ではヘルメットを自転車通学の許可の条件にはしない。生徒たちの着用状況を見て、丁寧に指導を加えていきたい」と話していた。

【関連記事】自転車ヘルメット着用努力義務に 改正道交法4月1日から(https://www.iga-younet.co.jp/2023/03/13/72209/)

2023年3月25日付840号22面から

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