【青空へ風船を飛ばして、園との別れを惜しむ出席者=名張市丸之内で】

 三重県名張市に残る最後の公立幼稚園となっていた市立名張幼稚園(丸之内)で3月22日、卒園式と閉園式があった。園児や保護者ら計約70人が出席し、園庭で風船を飛ばすなどして52年の歴史に別れを告げた。

アーチをくぐり園を後にする園児や保護者=同

 式で北川裕之市長は、少子化など社会や経済の環境変化による園児数の減少で「歴史に幕を閉じることになった」と説明。北川由香園長は、保護者や地域住民らの長年の支援に感謝を述べ、「巣立った全ての子どもたちが、明るい未来に向けて歩むことを願う」と話した。映像で園の歴史を振り返った後、園児たちは園歌などを元気よく歌った。

 3年前に長女、今年は長男が卒園した保護者会長の永友春香さん(31)は「(閉園の決定が)いきなりだったので戸惑いがあったが、決まってからは皆に楽しんでもらえるよう親子でできる行事を増やした。子どもたちには、友だちを大切にして成長してほしい」と話していた。

 同幼稚園は、1971年に市内初の公立幼稚園として開園し、77年に現在地に新築移転。4歳児と5歳児を対象に、この日の卒園生20人を含む園児計3763人を送り出した。園児数のピークは、79年の212人だった。

 園児数の減少を受け、市は2021年8月に市立幼稚園と市立保育所計3園を統廃合し民営の認定こども園を24年度に開園する計画を発表。昨年は桔梗南幼稚園が閉園しており、24年3月は大屋戸保育所が閉園する。

 名張幼稚園の園舎は新年度に改修が加えられ、24年4月に0歳児から5歳児を対象にした認定こども園が開園する。

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