2本の縄を使って多様な技を繰り出す「ダブルダッチ」。11月中旬に埼玉県で開かれた15歳以下対象の全国大会「freely2022 JAPAN FINAL」で、三重県伊賀市立崇広中1年の森川眞乃助君(13)(同市平野北谷)が初優勝を飾り、念願の日本一に輝いた。
体験会への参加をきっかけに小学2年でダブルダッチを始めた。現在は週1回通う同市緑ケ丘本町の教室「FiveDance&DoubleDutch」で腕を磨き、自宅での個人練習にも汗を流している。
U15選手の育成を目的に毎年開かれている同大会は、ランダムに流れる課題曲に合わせ、45秒の制限時間内で技を競い合う個人戦。ステップの技術や演技の独創性などを審査員3人が評価する。
森川君の出場は3回目で、過去2回は予選敗退と悔しい思いをしてきた。「とにかく決勝に上がる」と意気込んで挑戦した名古屋市での予選は2位で通過し、計262人の中から地区予選を勝ち上がった20人による全国大会へ駒を進めた。
これまでの大会で競った顔なじみの強豪たちが集う中、予選リーグでは北海道の強豪選手に一度は敗退。しかし、審査員がピックアップする敗者復活システムで決勝トーナメントに進む8人に選ばれ、悔しさをばねに、予選で敗れた相手を決勝で破った。
ゆったりしたリズムの曲が得意だが、倍速で縄を回す「ハリーステップ」でアップテンポの曲にも対応できる。審査員からは「どのパフォーマーよりも『勝ちたい』という気迫が伝わってきた」と評価され、気持ちが演技にも表れていたという。
今夏、自ら企画したダブルダッチの体験会で、ゲスト出演した憧れのプロ選手・KO‐YAさん(REGSTYLE)の演技を間近で体感したこともあり、「世界を舞台に活躍したい」との気持ちが強くなった。全国優勝は「世界への第一歩」と喜び、「更にパワーアップした選手たちが集まる2023年の大会で、もう一度優勝したい」と闘志を燃やしている。
2022年12月24日付833号16面から