「四季が見える故郷で暮らせていることに感謝し、人の心を癒やすアートの役割をしっかり考えていきたい」。三重県伊賀市比自岐の冨田儀孝さん(74)がこのほど、全国組織の美術団体「二紀会」の会員に推挙された。
大作が評価 伊賀から3人目
小学生のころから静物や身の回りの風景などを水彩絵の具やクレヨンで描き、社会人になってからは洋画で公募展などへ精力的に出品。定年後は国内外へスケッチ旅行に出掛ける一方、地元の森を題材に、季節の移ろいや土の匂いを感じる作品を描いている。
同団体が主催する「二紀展」には30代のころから毎年出品し、準会員として約25年活動。現在は同団体の支部組織「三重二紀」の事務局も務める。2022年の二紀展で、130号の大作「花の詩Ⅱ」が高い評価を受け、全国の新規会員19人の一人に入った。伊賀地域出身の会員は画家の中野英一さん、上田保隆さん(いずれも故人)に続き3人目という。
「美のあるところに筆は向かう」。これは以前、所属する県洋画協会の会報に掲載された冨田さんの言葉だ。「長年ライフワークにしてきた絵画を、伊賀のまちづくりに役立てることができたら」。そう願いながら日々筆を運んでいる。
2022年12月24日付833号3面から
- Advertisement -