【「デジタル講座」でスマートフォンを手にする会員たち(提供写真)】

 古典芸能である能楽の振興を図っている三重県名張市の名張能楽振興会が、新会員を獲得するために、このほど同会の公式LINEアカウントを立ち上げ、2023年2月5日に開催する「第36回新春謡曲仕舞大会」の模様を初めてライブ配信する。

LINE公式アカウントの画面(同)

 同振興会には現在、「邦謡会」「桔謡会」「名張幽風会」の3団体に24人の会員が所属。「名張こども能楽囃子教室」では、小中高生5人をプロの能楽師が稽古し育成するなど、能楽は名張市の伝統文化の柱になっている。しかし、会員の高齢化が進み、名張での能楽の維持、継承が困難になっているという。

 そこでインターネットを駆使して市民に広く能楽の魅力を伝え、新しい会員を獲得しようと11月下旬、70、80代の会員12人が集まり、専門家を招いてデジタル講座を開催。会員がスマートフォンを手にして、立ち上げたばかりの公式アカウントにアクセスする方法や友だちに紹介する方法などを学習した。

 公式アカウントには、同会の謡曲仕舞大会などの編集動画の他、北川裕之名張市長と同振興会の尾本頼彦会長との対談がアップされている。対談では、「名張幽風会」の発足当初からの会員でもある北川市長が、謡曲を始めたきっかけや、謡いの稽古を通じて腹式呼吸がもたらす健康維持やストレス解消の効用を熱く語っている。

 尾本会長は「若い方に興味を持って頂き、観阿弥創座の地、名張でこれからの能楽振興を支えて頂きたい」と話している。同振興会のアカウントは、インターネットで「只今ここでライブ」を検索し、サイトから「友達に追加」に進んでLINEの友だちになると無料視聴できる。

 同振興会のライブ配信はこちら(https://lin.ee/qDkbIzc)から。

 問い合わせは尾本会長(090・6467・5120)まで。

2022年12月24日付833号23面から

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