【要望書と署名を北川裕之市長(右)に手渡す会員の子どもら=名張市役所で】

 三重県名張市内の児童生徒の保護者らでつくる「自校給食をすすめる会」は11月25日、自校方式の中学校給食を求める要望書と3758人から集めた署名を市に提出した。

 同市では、小学校は自校方式で給食が提供されているが、中学校は県内市町で唯一、給食が実施されていない。市は今年6月、「給食センターを民間活力の導入によって整備する考え方を基本」とした上で、2027年度中の開始を目指すと表明。23年度に場所や手法を決めるスケジュールを示していた。

 同会は要望書で、自校方式は地産地消や食育を通じて貴重な学習機会を与え、災害時の備えとしても重要だと主張。センター方式は「経済的とは言えない面がある」などと指摘している。署名活動は10月16日に始め、11月25日までに市内の保護者を中心に集まったという。

 この日は中心的な会員約10人と会員の子どもたちが市役所を訪れ、北川裕之市長に署名と要望書を手渡した。会員の内橋晃子さんは「8月に開いたフォーラムで、切実な声がいっぱい出てきた。一日も早く自校式で給食を実施してほしい」などと求めた。

 北川市長は「できるだけ早く実現し、持続可能なものにしていくことが最優先ポイント。市のスタンスはセンター方式でPFIを用いる方向を保っているが、自校方式も含めてどの方式が良いのか内部で検討しており、幅広く選択肢を見ながら方向性を最終的に定めたい」と話した。

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