三重県伊賀市の上之庄地区に移転新築した社会医療法人畿内会の岡波総合病院で11月24日、竣工式と内覧会が開かれた。新病院での外来診療開始は来年1月4日で、12月29日までは同市上野桑町の現病院で対応する。

 移転新築は、今年2月に創立100周年を迎えた同病院の記念事業として計画。立地場所は元市立成和中学校跡地とその周辺の山林などで、学校部分の土地は市から50年間の無償貸与を受けている。総事業費は校舎などの解体費を含め約200億円。昨年1月に病院の建設工事を着工し、今年9月末に完成した。

 畿内会の職員は常勤医44人、看護師174人を含む約880人。敷地面積は市の応急診療所や院外薬局などの部分を除く約8万1400平方メートル。病院棟は免震構造の地上9階建てで、延床面積は地上5階建ての現病院よりも広さが約2倍の3万1440平方メートルになった。

 全体の病床数は現在と同じ335床で、5階から7階は一般と地域包括ケアの計275床、4階の回復期リハビリテーションが50床、3階には集中治療室10床と6つの出術室を集約し、1階の救急外来と直接エレベーターでつながっている。

 また、8階には100床の老人保健施設が入居。西隣にある地上2階建てのデイケア棟にはリハビリや通所介護、訪問介護などの施設と事務所が入り、病院棟と渡り廊下で行き来ができる。

 現病院の周辺は住宅密集地で道幅が狭い生活道路を通る必要があり、来院者用の駐車台数も限られていた。新病院は名阪国道の上野インターから約2・8キロ、大内インターから約2キロで、国道368号や広域農道「伊賀コリドールロード」の主要道路からも近い立地で、外来用駐車場も350台に増やした。

 同病院長で畿内会の猪木達理事長は竣工式後の記者会見で「伊賀地域の2次救急は3病院による輪番体制で動いている。それを維持しつつ、できる範囲で担当日を増やしていこうと考えている。365日救急対応できる体制が最終目標」と話した。

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