三重県名張市の国史跡・夏見廃寺をライトアップするプロジェクトが始まった。同寺ゆかりの大来皇女(おおくのひめみこ)を顕彰する「大来皇女をしのぶ会」が、11月20日と27日に開催する照明装置づくりへの参加を呼び掛けている。
同寺は、天武天皇の皇女で初代斎王となった大来皇女が、父の菩提を弔うために建てたとされる。謀反の疑いで自害させられた弟の大津皇子(おおつのみこ)をしのんだ和歌が万葉集に収められており、1995年に寺院跡近くにその歌碑が建立された。
しのぶ会は建立実行委の後身で、毎年2月に皇女をしのぶ「あしび忌」を開催し、事績を後世に伝える絵本を作るなど活動してきた。会員の高齢化などで一時活動を休止していたが、歌碑建立30年記念に向け、菅井照代さん(67)が実行委員長となりイベントを企画した。2025年には、5千の明かりで寺院跡を照らすのが目標だという。
作るのは、ペットボトルの中に太陽光パネルやLEDを組み込んだ「ペットボタル」と呼ばれる装置で、参加者は好きなメッセージなどを書き込んで組み立てる。完成した装置は、12月24日から春まで金堂跡に置いて点灯する。
装置作りは11月20日が市勤労者福祉会館(夏見)で午後1時、27日が市教育センター(百合が丘西5)で午前10時と午後2時。各回定員30人で、参加費1500円。
菅井さんは「夏見廃寺を心癒やされる市民の場にしたい。イベントを通じて寺院跡に足を運んで頂き、大来皇女との関わりにも興味を持ってもらえたら」と参加を呼び掛けている。
申し込みは市教委文化生涯学習室(0595・63・7892)へ。
2022年11月19日付832号6面から
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