【訓練で負傷者役の男性を救助したりする消防隊員ら=伊賀市上野丸之内で】

 走行中の列車内でテロが発生したという想定の対策合同訓練が11月4日、三重県伊賀市の伊賀鉄道上野市車庫であり、地元の警察や消防、同鉄道の職員が参加した。近鉄やJR西日本、鉄道警察隊の関係者も訓練を見学した。

 伊賀地域にある官民23の機関・団体で2015年12月に設立した「テロ対策伊賀パートナーシップ」が実施する合同訓練で、今回で4度目。今年は3月に予定していたが、新型コロナの影響で延期になっていた。

 訓練は、列車内で刃物による刺傷事案が発生し、ガソリンのような液体もまかれて緊急停止するという想定。運転士が無線で同鉄道の指令室を通じて消防と警察に通報し、駆け付けた市消防本部の隊員や同鉄道の職員が乗客の避難誘導やけが人の救出救助、伊賀署員が容疑者を取り押さえるという流れで進んだ。

 訓練終了後の講評で、伊賀消防署の上田素生署長は「いつどこでテロや災害があるか分からない。被害を最小限に食い止めるために連携や情報共有が大事になる。今後とも連携協力を深めていきたい」と述べた。同鉄道によると、テロなどの発生に備え今年度中に保有する車両に防犯カメラ各1台を設置、運転手に催涙スプレーを携帯させる予定だという。

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