【手作りの船外活動服を身に着け月面探査ごっこを楽しむ園児ら=名張市蔵持町原出で】

 NASA(米航空宇宙局)が主導する有人月面探査「アルテミス計画」が進められる中、三重県名張市の蔵持こども園(蔵持町原出)では園児と職員が手作りしたロケットや月面の造形などが次々に登場し、子どもたちが「宇宙ごっこ」を楽しみながら夢を膨らませている。

宇宙ステーション滞在ごっこを楽しむ園児=同

 同園では、遊びを通じて子どもたちに社会に興味を持ってもらおうと、クラスごとにテーマを設けて保育に取り組んでいる。このうち、3歳児から5歳児約30人が所属する「ひかりクラス」では、7月から宇宙をテーマに遊びを展開。日本人宇宙飛行士の若田光一さんのISS(国際宇宙ステーション)長期滞在が始まった10月には、教室の半分近くが“宇宙空間”と化している。

 ちびっ子宇宙飛行士たちが乗り込むダンボール製ロケットは、クラス名にちなんで「シャインドラゴン」と命名。月面をイメージした黒背景の一角では、ダンボールやクリアシートで作った船外活動服を身に着けた子どもたちが、こだわりの探査車両に乗り込む。

 宇宙ステーションをイメージした一角では、未知の物質を調べる機械やフードウォーマーなどを模した箱が並び、子どもたちはトレーニングマシンで体力低下を防ぎながら滞在ごっこを楽しんでいる。保育者側も遊びに真剣で、NASAのマーク入りの作業服を身に着けた職員が“伝説の宇宙飛行士”に扮して子どもたちの旅をナビゲートすることもある。

 廣田喜紀園長(44)は「初めは『宇宙って何のこと?』といった反応だったが、今では興味を深めて『宇宙飛行士になりたい』と夢を語る子もいる。遊びを通じて知らないことを知っていく楽しさや、社会を広い視野で見る大切さを伝えたい」と話す。

 活動の様子は同園のインスタグラム(@kuramochi_kodomoen)でも発信している。

2022年10月22日付830号2面から

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