【激しく舞う獅子と天狗=名張市丸之内で】

 三重県名張市の市立名張小学校(丸之内)で10月13日、宇流冨志禰神社(平尾)の秋祭りで舞を披露する南町神事講獅子神楽保存会による出前授業があった。「なばり秋まつりと獅子舞」がテーマで、3年生約70人が体育館に集まり、歴史を学んだり、激しく勇壮な獅子舞の実演に目を丸くしたりした。

祭りや獅子舞について説明する菊山さん=同

 同保存会は、20代から50代の11人で構成。出前授業は、ふるさと学習「なばり学」の一環で初めて実現し、この日は6人が訪れた。

高々と伸び上がった獅子=同

 受け継ぐ獅子神楽は、江戸時代に伊賀市の敢國神社から伝わったものが基になっており、神の使いとされる獅子が厄をはらったり、天狗が獅子とたわむれたりする内容。派手な舞が特徴で、獅子役の2人が肩車をして高々と伸び上がる「にかいだて」と呼ばれる場面などもある。

 授業では、天狗役を25年以上演じる同保存会の菊山賢二さん(57)が、プロジェクターで写真などを映し出しながら、祭りの成り立ちや行事の意味、獅子神楽で使う道具、舞の流れなどを紹介。「祭りの事をよく知って、見て、参加して、伝統を皆さんにも受け継いでほしい」と呼び掛けた。

 児童からは「獅子の顔は何で赤いの」「天狗はどうして鼻が高いの」など積極的に質問が上がり、菊山さんが一つひとつ丁寧に答えていた。

 その後、保存会のメンバーが約30分間、演舞を披露。威勢のいい太鼓の音に合わせて獅子と天狗が激しい動きを見せ、獅子が目前に迫ると児童たちは「うわー」と歓声を上げた。初めて見たという女子児童は「獅子はちょっと怖かったけど、迫力があってすごいと思った」と話していた。

 同保存会は、30日の本祭で3年ぶりに舞を奉納する。9月下旬から連日、地元の集会所で本番に向けた練習に励んでいる。

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