【道場で指導する川村さん=伊賀市沖で】

 13年ぶりに故郷へ戻り、大学時代から鍛錬を重ねてきた合気道の道場を今年8月に開いた、伊賀市沖の川村祐生さん(31)。国際大会での上位入賞や豊富な指導の経験を生かし、稽古を通じて老若男女誰しもに「目標を持って努力する大切さ」を伝えていく。

道場を開いた川村さん

 同市で生まれ育ち、高校時代はテニス部に所属していたが、武道とは無縁だった。大阪芸術大で学内の武道サークルを体験する機会があり、「一番難しいけどやりがいがありそう」と感じた合気道を始め、「昭道館合気道」(本部・大阪市)の門をたたいた。

 「こう来たら、こう技をかける」という、相手の反応を想定した型の動きが興味深く、2018年の世界選手権の演武で2位になるなど現在も選手として活躍中。併せて、外部のスポーツクラブからの依頼で開講されていた子ども向け教室や本部道場での指導を担当し、30歳を機に「自分の道場を持ちたい」と、古里で独立する道を選んだ。

 住まいを兼ねた「昭道館合気道伊賀支部」の道場は、祖父母が長年暮らし、自身もよく遊びに来た家。祖父は自身が小学生の時に、祖母は2年ほど前に他界し空き家になっていたが、離れの一角をリフォームして新しい畳を入れ、8月3日に稽古をスタートした。川村さんは「伊賀の人たちと一緒になって頑張りたい」と語った。

2022年8月27日付826号22面から

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