【コールセンターが置かれている旧長瀬小学校校舎=名張市長瀬で】

 2008年3月に閉校した三重県名張市の旧長瀬小学校(長瀬)の校舎をコールセンターとして活用している運輸大手「ヤマト運輸」(東京都)が、センターを移転させるため、賃貸借契約終了の意向を市に伝えていたことがわかった。8月19日の市議会全員協議会で、市が明らかにした。

 コールセンターは、校舎(鉄筋コンクリート造3階建て、延べ床面積1107平方メートル)の内装を改修し、09年12月から稼働。運営する関連会社「ヤマトコンタクトサービス」(東京都)と市は、10年間以上の業務継続などを盛り込んだ協定を締結し、1年ごとに契約を更新してきた。駐車場になっている運動場と校舎を合わせた賃貸料は、1か月で計45万5000円(稼働後5年間は半額)としていた。

 市によると、同社は業務効率化のためのAI導入や在宅勤務の推進、旧長瀬小校舎が築40年を経過していることなどを理由に、同市西原町の配送拠点にコールセンター事業を移転させる意向。センターでは過去に最大約200人が働いていたが、現在の従業員数は約80人(うち市内在住者約70人)という。市産業部の担当者は「従業員の雇用は継続する意向だと聞いている」と話す。

 現在の契約期間は11月末までだが、市は若干の延長を同社に求めており、移転時期は協議中だという。

 稼働前の施設整備で、市は総事業費の3分の2にあたる6965万円の補助金を同社に交付していた。市は、旧長瀬小施設の新たな活用法を探る方針。

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