三重県名張市下比奈知の比奈知ダムで6月24日、何者かが爆発物を持ち込んだ想定のテロ対策合同訓練が行われ、県警本部機動隊の爆発物対策部隊や、流域5か所のダムを管轄する水資源機構木津川ダム総合管理所の職員ら計約20人が、通報や対応の際の手順を確認した。〈YouTubeで動画を見る〉
県警名張署管内の同署を含む24事業所・団体で構成する「テロ対策名張・青山パートナーシップ」として毎年実施しているもの。取り組みのモデル事業所が、近鉄名張駅(同市平尾)から同管理所に引き継がれたことを受け、管内で初めてダム施設を使ったテロ対策訓練を実施することになった。
この日はモデル事業所の引き継ぎ式の後、ダム施設の爆破を目論む人物が堤体下流の利水放流バルブ室に侵入を試みる想定で訓練が行われた。不審者の侵入を覚知した同管理所職員が同署へ通報して現場の状況を説明し、駆け付けた警察官が犯人役を取り押さえた。また、車両後部にあった爆発物の可能性があるかばんは、機動隊員がX線などを用いて慎重に調べて処理した。
訓練を終え、同管理所の國枝達郎所長は「何かあった時は自分たちだけではとても太刀打ちできないことがよくわかる。警察の皆さんと連携していかに正確な情報を伝えられるかが大事」、今村悟署長は「テロ事案が本当に発生した時でも今回のようにしっかりと連携が取れるよう、何度も訓練を重ねて防止に努めていきたい」と話していた。
昨夏に同様のテロ対策訓練を実施し、今回同管理所にモデル事業所を引き継いだ名張駅の米田徹駅長は「他社でもさまざまな事件が起きている。いつどこで起きるかわからないと気を引き締め、引き続き警察と連携していきたい」と話した。
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