【会見する亀井市長=名張市役所で】

 三重県名張市は2月10日、市の貯金にあたる財政調整基金の残高が2021年度末の見込みで12億6087万円になると明らかにした。次期市長選(4月10日告示、17日投開票)への不出馬を表明している亀井利克市長は会見で「新たな市長が選挙で掲げた政策を一定実行できるよう、積ませて頂く。去る者の責め」と語った。

 同市の財政調整基金残高は、13年度末には59万円とほぼ枯渇したが、増減の後、20年度末では2億3168万円に。21年度末では、3月補正をもって前年度から10億円以上増える見込みとなった。

 市は主な要因として、病院経営改革や職員給与削減、事務事業の見直しの効果の他、地方交付税の追加配分、市税収入が見込みを上回ったこと、三重国体の中止で一部予算を執行しなかったことなどを挙げた。

 亀井市長は市長選について「一切関知しない。政策を引き継いでほしいなんて思いは一切ない。掲げた政策をもって市政を運営して頂いたらいい」とした上で「ただ、地方の財政は良くなっていく状況ではないので、その部分を考慮された政策を推進頂きたい」、中学校給食や市立病院の産婦人科開設については「それなりに道筋を立てている。予算があれば進めていけるので、次の方が判断されたら」と述べた。

 02年から続く市の財政非常事態宣言については「(定例会の)初日に何らかの私の考えを述べさせて頂く」と語った。

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