刑事課長 若林一滋

 2020年末現在、暴力団勢力は全国で約2万5900人、三重県では約275人となっており、暴力団排除活動の推進や暴力団の取締りに伴い、年々減少しています。一方で、暴力団は各種経済活動の中でその組織実態を秘した上で資金調達をするなど巧妙化し、少数精鋭化しているものと分析しています。

 警察では、暴力追放三重県民センターなどと連携し、暴力団を社会から排除するため、
▼暴力団と協力関係にある建設業者などを各種入札・契約から排除
▼生活保護費などの給付、公営住宅への入居などから暴力団(員)を排除
▼暴力団排除条項の効果的な活用や各種業法違反の検挙による暴力団関係企業の排除
▼組織対応、有事における法的対応などによる企業活動からの暴力団の排除
▼地域や職域の暴力団排除組織の拡充・強化と地域住民や関係機関・団体と一体となった暴力団排除活動の推進
▼暴力団排除条例の適用(事業者が暴力団などに対し、威力利用の対価、または暴力団の活動を助長することを認識し、利益供応をすることを暴力団排除条例で禁止すること)
などの活動を推進しています。

暴力追放三重県民センター

 暴力追放三重県民センター(通称「暴追センター」)は津市に所在し、平日午前9時から午後4時までの間、暴力団などによる悩み事や困り事の相談を受け付けています。また、毎週水曜日午後2時から同4時までの間は、弁護士による無料相談(予約制)も受け付けています。秘密は厳守しますので、気軽にお電話してください。

不当要求防止責任者講習

 暴追センターでは、事業者を対象に「不当要求防止責任者講習」を実施しています。弁護士、警察官などが講師を務め、暴力団などによる不当要求行為の防止に向けた内容の講習をしています。講習は無料で受講できますので、興味のある方は、警察、または暴追センターへお問い合わせください。

 警察と関係機関・団体では、社会から暴力団を追放するため、一体となって「暴力団追放『三ない運動+1(プラスワン)』」(「暴力団を利用しない」「暴力団を恐れない」「暴力団に金を出さない」プラス「暴力団と交際しない」)を推進していますので、引き続きご理解とご協力をお願いします。

 問い合わせと相談は、名張署(0595・62・0110)、伊賀署(0595・21・0110)、暴力追放三重県民センター(0120・31・8930=相談)、(059・229・2140=問い合わせ)まで。

2021年10月9日付805号22面から

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