【展示予定の作品の前に立つ長谷川さん=名張市で】

 三重県名張市百合が丘東9番町の木彫り作家、長谷川重峰さん(77)による初めての個展が10月1から5日まで、伊賀市上野忍町の武家屋敷赤井家住宅で開かれる。

 テーマは「木彫りの美」。出品するのはツバキ、ボタン、カトレアなど花をモチーフに、浮かし彫りや透かし彫りの技法を駆使した作品で、壁掛け用のレリーフや、さまざまな柄とデザインの菓子皿。販売もある。

 長谷川さんは大阪府豊中市生まれで、30歳の時、会社勤めの傍ら、全国に教室を展開する木彫り「黒バラ会」の講師・岩佐寿美栄さんに師事し、40歳の時に独立して名張市へ転居。自宅に木彫教室を開設した。

 今までに約150人の生徒や多くの講師を育てながら、市内外で教室生らとの作品展を開いてきた。今も同所で伊賀まちかど博物館「花峰木彫博物館」を運営している。

 材料になるホオの木は、直径1メートルもある東北産のものを直接買い付け、同市神屋にある工房で自然乾燥し、自ら加工して「教材」を作っている。「繊細なタッチで美しく良いものを作るためにも、材料にはこだわっている」と長谷川さん。

 「木目の細かな1枚もののホオに彫り込んだ作品。多くの方に見て頂ければ」と話している。

 時間は午前10時から午後4時30分(最終日は同3時)まで。入場無料。

2021年9月11日付803号21面から

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