【杉森さんの絵がデザインされた限定商品のパッケージ】

 食品メーカーのネスレ日本(本社・神戸市)が今春、期間限定で全国販売しているチョコレート菓子「キットカット ミニ メープル」の外装と個包装のパッケージの「アートワーク」をドローイングアーティスト「SUGI」として活動している三重県名張市出身の杉森恵太さん(31)が手掛けた。杉森さんが描く愛らしいキリンやシロクマなどの絵は、コロナ禍でも元気がもらえると評判だ。

杉森恵太さん(提供写真)

 杉森さんは鮮やかな色彩を大胆に使いながらも詩的な描写が若い世代に人気のアーティスト。きっかけは、環境問題の一環で主力商品の「キットカット」を紙パッケージに変更していた同社担当者と約1年前に別の企画で知り合ったこと。若い世代の未来への「想い」を込めて4月22日の「アースデイ」に発売する商品のデザインを依頼されたという。

 デザインは「環境について考えるきっかけを作ること」をテーマに考案。パッケージの表面にはキリンやシロクマ、ウミガメ、山を描いた。裏には「いっしょに未来を考えよう!」のキャッチフレーズとともに「誰もが想像していなかった世の中になり、絵を見てなんでもいいから感じて、誰かと話してみて」というメッセージも寄せている。更に個包装にはペンギンやフラミンゴなども描いた。

 商品が発売されると同時に、「地元の友だちがSNSでリアクションしてくれたのが一番うれしかった」という。絵を見て「元気が出た」「優しさがにじみ出ている」などの反響があったのも感慨深かったそうだ。

 「これを機に、もっと頑張り、今後もいろんな人に作品を見てもらえたらうれしい」と杉森さん。「今回の件で、自分は運が良いということが確信に変わった。これからも大変だけど、楽しく活動していけそうだ」と笑顔を見せた。

2021年5月29日付796号1面から

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