【ケアラー支援の条例案について説明する森嶋部長(左)、西山教育長(中央)ら=名張市鴻之台1で】

 三重県名張市は5月19日、家族の介護や世話を日常的に担う人「ケアラー」を地域社会全体で支えるため、「ケアラー支援条例案」を6月議会で提出する方針を明らかにした。ケアラー支援を条例化した自治体はまだ少なく、同市で制定されれば全国3例目、東海地方初になるとみられる。

 市によると、制定目的は「全てのケアラーが自分らしく、健康で文化的な生活を営むことができる地域社会の実現を目指す」こと。特に18歳未満の「ヤングケアラー」については、「適切な教育機会の確保」「心身の健やかな成長や発達が図られるようにしなければならない」などを基本理念に掲げる。

 支援に当たっての市の責務も示し、広報啓発やリンクワーカーなど支援を担う人材の育成、体制整備などに取り組むとしている。学校など関係機関や、事業者、市民の役割も定めている。

 この日、市議会教育民生委員会協議会で説明した森嶋和宏福祉子ども部長は「地域共生社会を目指す中で、課題の一つがケアラーの存在に気付くこと。条例制定で更に支援を広げていきたい」、西山嘉一教育長は「社会的に認知され、地域全体で見守っていくことが必要」と話していた。

 市は昨年8月に実施した実態調査で、市内で28人、ヤングケアラーに該当する事例を確認。年代は小学校低学年から高校生まで、幼いきょうだいの世話や親の介護をしているケースがあったという。昨年12月の市議会一般質問で市は把握人数を明らかにし、支援を充実させる方針を示していた。

 厚生労働省などによると、ケアラー支援の条例は昨年3月に埼玉県、今年3月に北海道栗山町が制定している。