三重県は4月21日、県内で1日としては過去最多となる57人(名張市5人、伊賀市1人、四日市市11人含む)の新型コロナウイルス感染が確認され、併せて4月上旬から中旬にかけて感染が判明した92人が変異型ウイルスに感染していたと発表した。職員1人が感染していた名張市の寺田病院(夏見)では、新たに入院患者4人が検査で陽性となり、県内59例目のクラスター(感染者集団)に認定された。県内の感染者は延べ3283人、変異型ウイルス感染者は294人となった。

 発表によると、感染者の市町別内訳は、四日市市(県発表分1人含む)・鈴鹿市12人、津市・亀山市が各7人、名張市5人、松阪市3人、桑名市・伊勢市が各2人、いなべ市・伊賀市・鳥羽市・東員町・朝日町・明和町・県外が各1人。21日現在、県内の確保病床392に対し使用数は205、使用率は52・3%。重症者用病棟は確保病床53に対し使用数は16、使用率は30・2%となっている。県内でこれまでに最も多く感染者が確認されたのは、クラスターが発生した鈴鹿市の病院で37人の感染がわかった1月22日の54人だった。

 19日に職員1人の感染が確認された名張市の寺田病院では、接触者調査で入院患者4人(市内在住70代女性、同80代男性、伊賀市90代男性、四日市市80代女性)が検査で陽性に。対象者176人(職員81人、入院患者など95人)のうち検査済みは152人で、5人以外の152人は陰性、残る19人は結果待ちとなっている。県では4人の接触者に該当する家族・親族の調査を進めている。

 名張市では他に、12日から14日まで同病院に入院していた60代男性の同居家族の60代女性(パート従業員)、ともに4月上旬に県外訪問歴がある20代女性(無職)、70代男性(同)も検査で陽性と確認された。

 園児4人の感染が確認されていた津市の安濃保育園(安濃町曽根)では、新たに女児1人が検査で陽性に。感染者が5人となり、県内60例目のクラスターに認定された。検査対象者191人(職員30人、園児161人)のうち98人が検査済みで、93人は陰性。当初から検査対象者の範囲を広げたため、未検査は職員1人を含む93人となっている。

 亀山市の自動車部品工場でのクラスターでは、津市・亀山市の20代から50代の従業員男女8人の感染が新たに確認され、このクラスターでの感染者は26人に。検査対象者353人のうち320人が検査済みで、294人は陰性、33人が未検査。感染者が複数発生したフロアと直接往来が無い従業員にも感染が及んでおり、引き続き調査が進められている。また、感染した40代男性従業員の同居家族2人も接触者調査で感染が確認された。

 21日に公表された変異型ウイルス感染者92人は、9月上旬から中旬に新型コロナ陽性となった97人を対象に実施され、変異型ウイルスの陽性率は94・8%だった。

※4月21日午後7時3分追記

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