【学生にエンジンとトランスファーの構造を解説する三島社長(右)=名張市春日丘の近大高専で】

 自動車エンジンのタイミングチェーンなどを製造する三重県名張市八幡の「ボルグワーナー・モールスシステムズ・ジャパン」が3月5日、学生の研究・学習に役立ててもらおうと、同社のチェーンが使われているエンジンなどのカットモデルを近畿大学工業高等専門学校(同市春日丘)に貸与した。5月末まで同高専の図書館内に展示する。

 「コロナ禍でもできる地域貢献」の方法を考えてきた同社では、テストなどを終えて社内でカットモデルとして保管している製品の活用を検討。地元への貸し出しは初めてで、展示中の安全が確保されれば、小中学校などへの貸し出しも検討しているという。

 今回は、いずれも同社製チェーンが使われている、日産自動車のSUV(スポーツ用多目的車)などに搭載の5・6リッターエンジンと、出力を前後に分配・伝達する四輪駆動車用の部品「トランスファー」のカットモデルが展示された。

 三島邦彦社長は「身近でエンジンやトランスファー、しかも内部構造が分かるものを見られる機会は少ないと思う。地元でこうした製品を作る企業があることを知ってもらい、地域の子どもたちに、ものづくりやエンジニアへの憧れやひらめきを持ってもらえたら」、村田圭治校長は「工学エンジニアリングに対するモチベーションとなるよう役立てていきたい」と話した。

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