医師夫妻の句碑も

 名張市の南に隣接する御杖村を東西に通る伊勢本街道(国道369号)にあるのが、その名も「牛峠」。名を示すものは少ないが、伊賀地域近隣では珍しい「牛」を冠した地名の一つだ。【牛峠に立つ句碑=御杖村菅野で】

 同村東部の神末と菅野の両集落の間に位置し、標高はおよそ560メートル。地元の歴史に詳しい同村桃俣の岡本秀勝さん(82)によれば、かつては荷役の中心として牛たちが峠を行き交い、江戸時代に伊勢参りが盛んになって往来する人が増えて以降、その光景から名が付いたのではないかという。

 現在、峠付近から旧道への入り口には、菅野で診療所を営んでいた山中弘道さん、みね子さん夫妻(いずれも故人)の句碑があり、「雲切れて なほ雪降らす 牛峠」「春荒の 雪となりたる 御杖村」の2句が刻まれている。親族らによると、みね子さんの実家がある神末とは行き来する機会が多く、なじみ深い場所だったそうだ。

2020年12月26日付786号7面から