伊賀市炊村の「大山田堆肥センター」で牛ふんを野積みしていた行為は産業廃棄物の不法投棄にあたるなどとして、地元住民の地権者らが9月18日、施設を運営するJAいがふるさとに対し敷地に散乱した牛ふんや調整池にたまった雨水の撤去などを、県に対し調整池の水質検査などを求める公害調停を県公害審査会に申請した。【牛ふんの野積みが指摘された大山田堆肥センター=伊賀市炊村】

 同日開いた記者会見には地権者や代理人の村田正人弁護士ら4人が出席した。地権者2人とJA側は2005年末に土地の賃貸借契約を締結。敷地約6000平方メートルの同施設では、畜産農家から集めた牛、鶏、豚の家畜ふんを発酵させ有機質堆肥を製造している。

 申請書などによると、07年ごろに敷地内に野積みした牛ふんが外に流出する事故が発生したため、08年3月に搬入量を1日20トンに制限し、適切な管理の実施をJA側と約束。しかし、15年ごろから再び大量の牛糞が持ち込まれ、野積みにしていたと指摘している。

 また、村田弁護士らは今年2月にも大量の野積みが発覚し、地元地区からの申し入れでほとんど撤去されたが、現在も排水溝や調整池には雨によって流れ込んで浮遊し、水質汚濁も懸念されるとしている。

 この問題を巡っては、地権者が3月に賃貸借契約の解除を通知し、8月建物などの撤去と土地の明け渡しを求め、津地裁に提訴。JAいがふるさと側は取材に対し「係争中のためコメントは差し控えたい」としている。

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