名張市つつじが丘南6番町の13号公園(通称「ぞうさん公園」)が、住民たちの手で奇麗に整備されている。つつじが丘自治会の組織「ぞうさん公園クリーン会」のメンバーたちが、雨の日を除き、毎朝汗を流している。【まき小屋を背に、作業の合間に談笑する(左から)北野さん、廣田さん夫妻、西窪さん=名張市つつじが丘南6番町で】

 現在のメンバーは廣田壽一さん(72)、友子さん(71)夫妻と北野昭二さん(75)、西窪堅旨さん(72)の4人。

 公園は、同市が管理し、草刈りや溝掃除作業を同自治会に委託。7年前に会が発足した当初は、公園を囲む山の斜面に雑木林が生い茂り、園内に侵入する鹿のふんが散乱している状態だったという。そんな公園の地面をローラーで平らにし、周囲230メートルにわたって獣害対策用の網ネットを張ったが、何度も鹿や猿に壊されたため金網に張り替えた。

 3年前には台風の影響で多くの木が倒れ、危険なため残った木の伐採を市に依頼。伐採した木を集めてチェーンソーで切り、おので割ってまきにした。40年ほど前に大阪から移住して来た4人にとって、チェーンソーなどの工具を使うのは初めての経験だったが、「団地への愛着があるので、何とか自分たちの手で整備したかった」と、見よう見まねで使い方を覚えたそうだ。

 毎日増え続けるまきを保管するため、小屋も建てた。まきは、住民主催のキャンプなどで活用する他、まきストーブを使う家庭に燃料として提供した。今後、防災訓練時の炊き出し用などとして使う予定だ。

 伐採後の斜面にはアジサイやチューリップ、スイセン、シバザクラなど、季節の花を植えている。散歩道も作り、鳥の巣箱を設置した。また、公園入り口近くには東屋を建て、手作りのピザ窯を配置。昨年の桜まつりでは窯で100枚焼き、評判を呼んだ。当初は子どもたちも寄り付かなかったというぞうさん公園には、今は親子連れの姿も多く見られるようになっている。

 「近くの人から、公園が奇麗になってうれしいと喜ばれるし、草刈りは運動にもなって一石二鳥」と笑う西窪さん。北野さんは「自分たちの発想で、1つずつ形にしていく達成感は何物にも代え難い」と話し、廣田さんは「ちょっと手を抜くとまた元の姿になるので、私たちの後を継いで整備してくれる人を募集中」、友子さんも「年中奇麗な花が咲けば、女性や子どもたちも喜んで立ち寄ってくれますから」とニッコリ。

2020年2月8日付 765号 11面から

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