奈良県境に近い名張市錦生地区で生産した特別栽培米「にしきおてらす」の新米試食会がこのほど、三重県の物産を展示・販売している東京都中央区日本橋の「三重テラス」であった。【特選米と野菜をPRする藪本さん(左)と大川さん=名張市安部田で】

 地縁法人錦生自治協議会の地産地消部会が4年前に名張市結馬で立ち上げた「錦米生産センター」の米で、同センターの大川和広さん(55)が、法被姿で炊きたてを来場客にPRした。

 大川さんは4年半前に東京から移住、錦生の米のおいしさに感嘆したという。「東京の大市場でこの銘柄を浸透させたい」と、3年前から毎年新米シーズンに同テラスでの試食販売会を企画している。

 「にしきおてらす」は日本穀物検定協会の米の食味ランキングで、2011年から昨年までの8年間で7回「特A」に評価された伊賀コシヒカリ。有機肥料のみを使い、農薬もできるだけ減らした特別栽培で、価格は3合袋が570円(税込)、6合袋が990円(同)。

 この米を使って力を入れているのが「神宮ご奉納米」。昨年、伊勢市の伊勢神宮に奉納したのを機に「お伊勢参り 清めのお米」のブランド名で、同市内の店舗などで販売を始めた。丸い木箱を伊賀くみひもで結んだ包装で、くみひもの色に合わせて15アイテムあり、1箱300㌘入りで1296円(同)。

野菜もブランド

 現在、センターでは5軒ある協力農家のうち3軒が「にしきおてらす」を生産しているが、地区内の農家を増やし、供給量を拡大することが課題だという。農家の一人で、同自治協議会の藪本寧男会長(73)は、約1万4千平方メートルの田んぼで作っている。JAに土地診断を依頼し、最適な土地改良剤を投入。除草剤も年1回、基準量に抑えており、「減農薬のため、日常管理に苦労している」と話す。

 昨年11月からは、地区で生産した新鮮な野菜を「錦」ブランドで出荷、同テラスで販売している。収穫したレタス、ピーマン、ナス、サトイモなどが翌日には店頭に並び、今では商品到着を待ちわびる客もいるという。

 藪本会長は「一軒でも多く安全でおいしい米や野菜を作って頂ける協力農家を募りたい。錦生特産のキノコのように、米や野菜も息長く地道にブランド化していき、地域の農業を活性化したい」と話している。

2019年10月26日付 758号6面から