色鮮やかなイラストを描く「ドローイングアーティスト」として、東京を拠点に活動している「SUGI」は、名張市美旗町藤が丘出身の杉森恵太さん(29)の作家名。新鋭アーティストとして注目を集めている。【愛知県豊田市であったイベント会場で(本人提供)】

 幼いころから絵を描くのが好きで、中学、高校時代はサッカーやスケートボードに熱中したが、上野工業高校で建築デザインを、和光大学表現学部芸術学科では孔版印刷技法の一つ「シルクスクリーン」を学んだ。

 大学を卒業後はプリント工場で働きながら、独学でデザインを勉強し始めた。職場でアーティストグッズの制作をしていたことや、バンド活動をしている友人の姿にも刺激を受けたことから、「描きたい」という創作意欲が湧き上がってきたという。

 仕事を続けながら、描く仕事もしてみたいと、企業などに自分を売り込む中、2017年に出展した展示会「ミュージック・イラストレーション・アワード」で特別賞となる「ビームスT賞」を受賞。それを機に、アパレルショップとコラボレーション作品を作るなど、活躍の場が一気に広がった。

 暗い色ではなく、鮮やかな色をたくさん使う。「大胆で詩的な描写が持ち味」と語るように、作品もそう評価されるようになった。見た人からは「幸せな気分になる」とよく言われるそうだ。

ライブイベントも

 現在はヒップホップグループ「キャンディタウン」のメンバーなどのCDジャケットを始め、挿絵やライブペイントなども手掛ける。夏にかけては福岡、東京、愛知で初の巡回展を開催した。

 「周囲の人に恵まれた。地元で過ごした時間が今につながっている」と感謝を口にする。いずれは海外で自分を試してみたいそうだが、「機会があれば地元でもやりたい」と目を輝かせている。

 杉森さんは作品をホームページ(sugi.hygllc.jp)に掲載している。

2019年10月12日付 757号 3面から

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