「病気をして健康のありがたさが分かり、何かに打ち込んでいけば元気になる」。長く印章店を営んできた伊賀市上野新町の廣岡常義さん(70)は、かねてから興味のあったステンドグラス制作に取り組み、意欲的に作品を仕上げている。【仕上げた作品を前にステンドグラス作りの魅力を語る廣岡さん】

 3年前の秋から名張市内のステンドグラス教室に月2、3回通い、基礎から熱心に学び始めた。しかし半年後、前立腺がんを患っていることがわかった。手術は成功し、自宅で療養を続けていたが、思うように体を動かせない毎日が続いていた。「もっと生きたい」。そんな気持ちを駆り立てたのがステンドグラスだった。

 本業のはんこ作りでなじみの深い古代中国文字「甲骨文・金文・古文」をモチーフに、カラフルなガラスの色彩を組み合わせ、独自の世界を作り上げる。「出来る限り、公募展や作品展に出したい。新たなステンドグラスオブジェ、ティファニーランプにもチャレンジしたい」と笑顔で語った。

 廣岡さんが通う「ステンドグラスサーナ」(名張市春日丘)展示会が、8月9日から12日まで、伊賀市上野忍町の赤井家住宅で開かれ、廣岡さんも出展する。時間は午前10時から午後9時。入場無料。

2019年7月27日付752号2面から

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