ベランダに設置された吸い殻入れとベンチ。周囲の視線を気にせず一服できるスペースが名張市役所の議会棟2階にある。こっそりと利用していたのは議員たちだ。市民には目のつきにくい“秘密”の喫煙スペースになっている。受動喫煙防止を目的とした改正健康増進法の施行で、7月から学校や児童福祉施設、病院、行政機関の庁舎などが原則として敷地内禁煙になるが、撤去するかはまだ決まっていない。存在を知った市民からは「ちゃんと喫煙場所があるのに身勝手すぎる」と批判が上がっている。【議員控室のベランダにある吸い殻入れとベンチ(上)、駐車場からみた喫煙スペースの場所(赤色囲み部分)=いずれも名張市役所】

 市によると、庁舎敷地内に設置した喫煙所は5か所。うち3か所は6月末で廃止し、屋上と議会棟玄関横の2か所は標識の掲示など「特定屋外喫煙場所」として必要な措置をして残す方針。

 問題の喫煙スペースは議員控室の奥で、駐車場側からは植え込みで見えない場所にある。施設の屋内が禁煙になった10年以上前に庁舎管理を担当していた元職員の説明では灰皿を置きたいと議会から要請があり、了承したらしい。市は管理しておらず、吸い殻入れの周囲には防火用のバケツや消火器もない。

 意見を求めた市内に住む会社員の40代男性は「自分たちは特別という意識の表れだ」と指摘。取材に対し、市総務部の我山博章部長は「市民や職員と同じように指定場所で喫煙してもらうよう説明すべきだったと思う」と答え、6月末までに対応について議会側と協議する考えを示した。 【名張市庁舎屋上の喫煙所。扉に「部外者の立ち入り禁止」の文字も=同】


伊賀市役所は1か所廃止 開庁から半年だけの設置

 伊賀市役所は同市四十九町の新庁舎に設置した2か所のうち、来庁者用駐車場の喫煙所を廃止する。法改正の成立は昨年7月で、新庁舎は今年1月に開庁し、半年間だけの設置だった。隣接する県伊賀庁舎には3階から6階の各ベランダに計4か所あるが、6月末で廃止して職員用駐車場の南東にある空きスペースに特定屋外喫煙所を設ける。

 また、近くにある厚生労働省が所管するハローワーク伊賀(伊賀公共職業安定所)は7月から玄関前の灰皿を撤去し、敷地内を全面禁煙にする。